宮台真司VS薬師寺の僧侶、被災地復興をめぐって

去年年末のニコニコ動画※で、哲学者や批評家、歴史学者と座談会に出た宮台真司が被災地の復興は、ある意味、不利益配分を政治家がしないといけないから難しいと言っていた。つまり、場所によってはもう、復興しない(だから、ここはあきらめて移転しなさい)と避難している人たちに言い渡さないといけない場面がきっとあるという。

それをやるのは政治家の役割だから、いま、正直になろうという人はものすごい減っているのも道理だろう。成長時代は利益配分をしていればよかった。地元に、中央からカネを引っ張ってきて、政治家はまさに名士であり、ヒーローだった。

ところが今は違う。国が成長しないから、中央にも金が無い。政治家は国に出て行っても、持って帰ってくるのは不利益の配分の話ばかり。究極的には、もう、地方のインフラは維持できないから、ここには住めなくなるとかの話も、自治体によっては出てくるに違いない。

私は東京に生まれ育ち東京に暮らしているので、地方の人達のいたみというのはまったく分らない。ただ、旅行で見る、限界集落とか、別にそこまでいかなくても、国道20号を数十分走れば、ある種の「ヤバさ」は感じる。

なんとなくそういう風に思ってて、今日ETV特集では、薬師寺の僧侶が被災地に出向いて、家族を津波で失ったり、住む場所を放射能で追われて帰るあてがない人たちをまえに、かける言葉も無く「お手上げ」というのを見た。そういう人たち(僧侶自身も経験したことのない巨大な不幸を体験したばかりの人)に、僧侶は、色即是空空即是色とかいっても、非常に言いにくいし、励ましても助けにならないと感じている、とのこと。

僧侶に、生き延びた被災者たち(もっぱら高齢者)が言うのは、絶対復興する、という言葉。亡くなった子や孫のためにも、絶対復興する、それで、墓を守って、自分が逝くときには向こうでむかえてもらうんだという。

宮台らの議論では、それは無理だっていう話(しかも一部は無理だが、場所によってはありというところもまた自体を難しくしている)。

こういう被災高齢者の思いを前に、宮台真司だったらなんというかね。「噴き上がる復興オブセッション」とか?いいそうだ。東浩紀はいうかもしれん。

すいません、私は怖くていえません。都会の納税者として?(大した税金は納めていないが、地方交付税不交付団体の住民として)、宮台の議論もわかるけれども、薬師寺の僧侶の皆さんにもぜひ、頑張って貰いたいという思い。それだけ。

ある僧侶の言葉。

悟りというのはなにか特別な修行をした末に体得するのではなく、自分の命をこれに捧げようと決めること。復興に命を捧げようと誓った、ある被災者も悟った人といえる。「心のスイッチ」が入ることを、悟りというのだから、すべての被災者、これと決めたことに命がけで取り組んでいるすべての人に、悟りは開かれている。

その悟りに対し、「いやーじつは、少子化で低成長時代に入りまして、国に金が無いんで、あきらめてくれ」といって頭を下げて回るのが、これからの政治家の仕事になる。おえー。なるもんじゃないね。

ニコ論壇時評2012「現代日本の思想~民主主義からネットまで~」 東浩紀×片山杜秀×萱野稔人×宮台真司 (番組ID:lv119033270)

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