過疎の島の、子だくさん製麺店主の事例

 ある過疎の島にあるうどん店主のオヤジは子供を7人も産んで育てました。NNNドキュメンタリーを見て、こういう、ある意味で、典型的なおっさんがいると思って興味深く拝見しました。

 オヤジは子供を、本当に小さいうちから朝五時に起こしてうどんづくりの仕事をさせます。1時間ほどですが、日曜日くらいしか休ませず、学校の卒業式の日も、島を巣立つその日の朝も、仕事をさせるのです。

 仕事の中身は、うどんを踏んづけたり、麺に油を塗ったり、機械から出る麺を取り出したり、乾かしたり、切って袋詰めしたりと、本当に身も蓋もない、肉体労働です。

 こうして育てられた子供の感想は、当然のことですがこの家は辛く嫌なことが多かったが、親には感謝しているという内容。昔風の、厳しいお父さん像です。子供にとって、朝五時からの肉体労働を「快適で幸せな家庭の営みの一つ」と思えるはずもありません。逆らうことの出来ないお父さんが、やれというのでやってきたんです。

 しかし、子供は立派に成人して、ほとんど嫁いで、7人のうち過半数の4人は島に残って仕事しています。子供の職業は、うどん店の経営(要は継いだということ)、教員、漁師、会社員、専業主婦などまちまちです。

 私のこの番組を観ての結論としては、

・朝五時起きのうどんづくりを子供にさせても教育効果は低いがそう悪くはない
・事業として地方でうどんを作りネットで売ることの有効性はまだある
・オヤジは働き過ぎがたたって病気になり、晩年は酒ばかり飲む残念さ
・厳しく育てた子供達は法要などの慣習を神聖なものとして大切に扱う

 うどんを朝五時から作る仕事をしてきた子供たちが、たとえばIT企業の社長になって大金持化したり、医者か弁護士になるなど、そのたぐいまれな忍耐力から資格を取って一念発起したりすれば話は面白かったんですが、そうはなりませんでした。

 それに、子育てやうどん作りに精魂を傾けたこのガチンコオヤジさんが、娘が次々と島を去って行くあたりから、涙もろくなり体調を崩して(糖尿病)、酒を飲むようになる様は、何とも寂しく、遺憾です。

 この男性は平均寿命を十年以上残し、61歳の若さでなくなりました。

 教員になった末子が、島への船便を1便逃して一周忌に遅れたことを、他の兄弟や親族がかなり本気で叱っていたのにはびびりました。もう社会人になって仕事している末子が泣くほど叱るのです。緊張感のある家族兄弟関係っていやだなと思いました。

 前回のブログでも書いたんですが、もはやこの国は夢も希望もない限界国家なわけですから、せめて家族関係だけは、寛大で、楽しくて癒やされる、やわらかい居場所であって欲しいものです。こんなおっかない家だと、万が一なにか問題が起きたときに、ケアやサポートが期待できなさそうでダメ。もしLGBTだったりしたら間違いなく居場所はなしです。

 こう考えると、現代家族には、ガチンコうどん店主では対応不能なほどの多様な機能と寛大さが求められているといえるでしょう。

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