NHKスペシャル「調査報告 急増 無届け介護ハウス」感想

 皆さんは、同居の家族の誰かが高齢になり、夜中に30分おきとかに「トイレ行きたい」「助けて」と叫ぶようになり、それが何年も続いた場合、どういう気持ちになるでしょうか?

 あなたに変わって教えましょう。確実に死にたくなります。なぜなら、睡眠不足はうつ病の原因になります。うつ病のメインの症状は自殺念慮、つまり死にたくなるんです。実際自殺する人はたいていうつ病です。

 睡眠を妨害する家族のせいで命を落とす危険を避けるにはどうすればいいか。もちろんその家族をよそに預けて自分は寝るほかありません。
 ところが、手頃な料金で高齢者を預かってくれる国の特養は、建物(ベッド)はいっぱい余ってるけど、そこで働く人がいないので受け入れてもらえません(介護士の給与が低いのでなり手がいない)。おかげで、55万人の待機老人がいるのです。しかし、その55万人の待機老人は、日々、若い世代をうつ病罹患のリスクに晒し続けており、国民の生命安全を守る国は、一刻も早く寝たきり老人を預からなければいけません。

 筆者には介護士の知り合いがいますから、介護労働のなんたるかを知っています。
 夜、見回りしていると廊下に糞便が落ちていたりするのは日常茶飯事です。他人のうんこを拾います。他人の、枯れきった年寄りに食事を摂らせるため、スプーンで一口一口運びます。飲み込むまで待つ時間は本当に苦痛でしょう。多少元気な認知症老人からは、あんた誰だとか、殴りかからんとする勢いで迫られたりといった恐怖体験は枚挙にいとまがありません。
 それなのに、給与は全産業平均とくらべて低い。不条理そのものですから、離職者が後を絶ちません。ピンぼけの政府は、建物をどんどん作ることは作るのですが、肝心の人材や、給与の補填はどうなるんでしょうか?財源などあるはずがないんです。国の財政が危機なので。

 結局、動けなくなった老人、認知症の老人を、底辺で押し付け合いをはじめている、それが日本の「今」です。

 しかし、そうした日本に救世主のように現れたのが、全国2000近くあるいわゆる無届け介護ハウスです。

 特養には入れない。かといって、初期費用100万、月々20万などが普通の有料民間老人ホームには入れない。そして毎晩10分おきに起こされる。死にたくなってきた。ふと見ると無届けだが老人を月10万で預かるという「家」がある。渡りに船だ、預けよう。
 あなただって、きっとお金がなくて、家族がボケだし、しかも仕事していたら、預けるほかない状況に追い込まれるんです。

 スプリンクラーがない、個室がなく相部屋で見ている。だから、利用料を安く出来るのに、行政は届出をしろと言ってくる。それで、そういうところを届けると、「個室にしろ」「スプリンクラーをつけろ」と「指導」してきます。すると利用者を断るか、介護料金を値上げしなければならなくなります。
 そうなれば、老人も行き場がない。家族の元に戻っても、今度は家族が危険になる。この状況に対し、行政は「個室にしろ」「スプリンクラーをつけろ」これだけ。凄い!!
 利用者は、その後見人から介護保険手続きの一切を施設は一任してもらっています。無届けハウスはこの契約により、老人ひとり預かれば、介護保険から月20万とか30万を受け取ることが出来ます。

 そもそも、私人間の契約で、年寄りを預かってくれ、はい分かりました、月いくらで預かります、介護保険は一任しますに双方で押印していたら、警察も行政は手も足も出ないのです。病院も、無届け介護ハウスに平気で老人をまわしてきます。入院させておくよりも、退院させた方が、診療報酬が高いからです。これも、渡りに船。

 むかし、老人は山に入って自分で死に場所を見つけてきました。今は、都会に姥捨てやまがあります。その名前は、「無届け介護ハウス」。夜は、年寄りばかりの建物の、外から鍵をかけて職員が不在になったりします。中では認知症のお年寄りはどうなっているんでしょうか。手足を拘束されて、排泄はもっぱらおむつなのでしょう。しかし、実の息子も、世話をする介護職員の顔も毎日忘れて「誰?」と聞く「ご利用者様」です。

 詳細はここも見てください。
http://hiroshimastyle.com/blog-entry-2022.html

 あなたが公務員で、それこそ無届け事業者を指導する立場だったり、お金があったり、親が元気だったりしたら、ひどい話だなと思うでしょう。しかし、もし、リアルに金がなく、しかも毎晩、認知症になった身内の世話を余儀なくされているとしたらどうか。

 想像力を働かせてください。

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