人工知能で消える仕事

最近、人工知能の進展が人々の仕事に与える影響について外国人ジャーナリストや専門家が書いた単行本を立て続けに三冊読みました。

  • セカンド・マシーン・エイジ
  • 限界費用ゼロ社会
  • ロボットの脅威
昨今のビッグデータを活用した人工知能の「ディープ・ラーニング」により、たとえば膨大な医学や法律の文献や道路交通情報から適切な問題解決の回答を導き出したりできるようになってきたというのが、まあこの界隈の話題の肝なんです。

これまで人間がやらなければダメだろうとされてきた、あらゆる場面で人工知能が人にとってかわる蓋然性が発現しています。

微妙に方法を変える実験を繰り返して数字を取る、熟練した放射線科医でも難しいマンモグラフィーの画像から微細な癌を見つける。ある企業で、係争中の訴訟事件にまつわる書類を、膨大な量の電子メールや社内電子データから見つける、学生が書いた英作文の回答を添削するなどです。つまり、インプットの形式が不定型でも、ブラックホールのごとく人工知能にぶち込むと、はいこれでーすと解を、あるいはかなり絞られた候補の解を人間に示してくれます。

いますぐどうのこうのと言うことではもちろんありませんが、「断絶的破壊」といって、テクノロジーがある日突然、人々のある種の活動の持続性を強制的に止めると言うことが予見されているのです。

さて、私がへーっと思ったのが、大学レベルの高度な授業をインターネットを通じ無料公開する「MOOC(ムーク=Massive Open Online Course)」のことです。これは、2012年頃アメリカではじまりました。誰でもネット接続環境があれば、一流大学の講義を無料で動画で見られるとあって、学問の民主化といわれて世界的に話題になりました。2013年頃、ダメだなこれ、といわれて、一部の大学は公開講座をやめたりしているんです。

どうしてMOOCはこんな短い間にダメになったんでしょうか? それにはふたつ理由があります。

  • 一流大学の講義を受けるほどの知性の持ち主しか、そもそもこうした動画を視聴することができない(飽きる、面倒、興味がない)=つまり知性の民主化は起こらない
  • 一流大学は、年間400万ドル以上払う通学のお客様に出すのと同じ「履修証明書」を、単に無料動画を見た人に出すわけにはいかない(大学のブランドイメージの低下につながる)
最初の理由についてですが、MOOC、私もへーっと思って、何個か視聴してみましたが、もちろん、二、三個見てやめました。SNSの誘惑、それに、図書館で無料で本を借りて読んだほうが効率がいいと思ったし、これ見てどうすんだろ、ということですよね。

2番目について。これは重要でしょうね。なぜ、一部の大学だけが難関で、その他は二流、三流といわれるのか。それは就職活動で有利になる度合いと比例しています。いくら三流大学出ても、一流大学の人と就活で競ったらかなわないのです。

それを、誰でも動画さえ見れば、一流大学卒と同じ資格を得て、就活できるようになるんでしょうか? あり得ないですよね。

結局、無料動画は、非常に専門性が高く、職能スキル向上に役立つものや、そもそもその一流大学に在籍していて、授業を受けるのではなく、動画で勉強して単位を取りたい「内部生」が見るものになってきています。

もし、動画見ただけで単位を取得させるには、これまで以上に厳格な本人確認手段と、厳しい修了テストを受けさせ、一定程度以上の得点がなければならないといった関門をセットアップする必要があるのでしょう。

あとは、娘たちどうするんだろう問題です。大卒でも、卒業後はもはや、コーヒーショップのアルバイト店員にしかなれず、すぐさま奨学金の返済のために働くというように、人生がかなり平準化されている模様です。それってどうなんでしょうね。そういう社会って。

むなしすぎて、自殺したくなるかもしれませんよね。だから、人工知能で仕事なくなるよ系の本には、「ベーシックインカム必要だろう」ということがたいてい書いてあります。

そうしないと、資本主義が成り立たなくなってしまうからです。

今は、時代がテクノロジーによって大きく転換しようとしている気がします。

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