2016年12月16日金曜日

免税事業者が消費税課税事業者となって還付を受ける際の注意点

 課税売上高が1000万円未満の業者(免税業者)が、翌期に大型の設備投資を予定しているなどの理由で消費税の還付を受けようとするときは、次のように手続きする。
 翌期のはじまる日の前日までに、「消費税課税事業者選択届出書」を提出する。
 ただし、以前、課税事業者だったことがあり、その際に簡易課税選択届出書を提出していた場合は、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」も出さなければ、本則課税は適用されない。そのため還付も受けられず、「消費税課税事業者選択届出書」をあえて提出したとしても、当初の目的は果たせないということになる。それどころか、設備投資で物入りなのに、本来免税のところ、要らぬ消費税も払わなければならなくなってしまい、二重に損である。
 今回の税務調査によって明らかになったのは、私がアホだったということである。どうアホかというと、簡易課税制度を選択している事業者であるにもかかわらず、そのスイッチを「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」でオフにすることなく、「消費税課税事業者選択届出書」を提出して、しかも本則でいけると思い込んで還付請求を行った。男なのに女装して女子便所で通報されたようなものだろう。
 まとめると、以下の通りとなる。
・提出期日:目的の投資を行う期のはじまる前日
・消費税課税事業者をオンにする書類:「消費税課税事業者選択届出書」※ちなみにこれをオフにする書類は「消費税課税事業者選択不適用届出書」
・簡易課税だった場合に、これをオフにして本則に戻す書類:「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」※ちなみに、オンにする書類は「消費税簡易課税制度選択届出書」。本則課税を選択するような趣旨の届出書は存在しない。
 消費税課税事業者選択届けのオフの書類は「消費税課税事業者選択不適用届出書」である。目的の設備投資などが済んだら翌期までにこういう書類を出して免税に戻ろう。しかし基準期間の売上が1000万円を超えた場合は、注意が必要だ。消費税課税事業者選択届出書を提出した法人の基準期間が1000万円を超えた場合は、「消費税課税事業者選択不適用届出書」と一緒に、「消費税課税事業者届出書」(オフの書類は「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」)も提出しなければならない。
 私の消費税のテキストはふせんがたくさん付いていて、フセンには届出書の趣旨がメモしてある。「消費税課税事業者選択届出書」のページにも、ふせんが付いている。そこにはこう書いてあった。「1000万以下でも本則で納税する。もしそれまで簡易なら」その先がなぜか書いていない。実際、その先にはこう書かれるべきであった。「もしそれまで簡易なら、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を一緒に提出する」。なぜ、私がこれをメモせず、途中で止めたのか。たぶん漢字の字数が多すぎて萎えたんだろう。その一瞬の怠慢のせいで、今期10万円払わないといけない。本則なら得られた5万と合わせれば15万の要らぬ出費だ。そして、1度「消費税課税事業者選択届出書」を出すと二年は続けないといけないから、今の期もだ。もう今の期で一千万円以上売り上げて、第二種事業(小売業)の見なし仕入率80%を下回るようにするしかないな。ふーんだ!というか売上1000万超えもう絶対あり得ない((T-T))。
 翌期のために、静かに「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出し、そして傷が癒えたら再びトライするかもしれないから、一応、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」も出しておこう。

 あと、今回調査が入ったからいうけど、一部に妙な都市伝説があると思う。税務調査についてのあれこれ。結論から言うと一概には言えないし、何も分からない。ただ、あまりにもそれはないだろう的な感じはなくて、ちょっと優しさも感じた。消耗品や交通費、会議費などについては、極端なことがなければ(会議費の場合は3000円とか)、ツッコまれない。カード明細に「Amazon」しか並んでいなくても、具体的な品名は履歴を引っ張り出せば分かることだから訊かれない。要はきちんと法に則って、正直に売上、仕入、資産、報酬など申告していれば、調査は来ない。還付請求すると必ず税務調査が来るっていう話しもあったが、「いけっこない、たくさんありすぎる」といっていた。

 このことが分かったのはまあ収穫といえば収穫だが、今回大丈夫だったものが、次回、あるいは読者の皆さんの法人でも大丈夫ということは、何の法的担保も得られないところが民の置かれた哀しい立場よのう。

 結局、頭のいい人が東大に行って、官僚になって、そして国のしくみや法のほとんどを官僚が作るわけだけれども、その官僚にしてみれば、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」をださないと「簡易課税」はずっと生きるってのは何の不思議もないし、当たり前の話しで、私がギャアギャア、忘れちゃったよーっとかいって泣いても何も関係ない。この制度を設計した官僚の気持ちを想像すれば文句も言えないんだけれど、それにしても私はアンタほど頭もよくないし、勉強の途中にキモになる付箋のメモ書きに、字数が多すぎて挫折しちゃったわたしみたいなバカの気持ちも分かってほしい。複雑すぎるし、分かりにくいし、覚えきれない。

 もっと、幸せな社会を作ろうよ。官僚よ。この映画でも観てさ。