利他主義的動機付けの優位性

なぜ、保守政治家は家族家族というのか。科学的知見からはじつは結構合理的。 人は、人の前はサルだった。サルはその場で果物だとかをシェアして終わるが、人間は、なにか見つけると、遠い距離を運んだ。その先に家族や仲間が待っているからだ。 特別な動機付けの訓練を受けていないのなら、人はすぐ「ま、いっか」となって目標の遂行を投げ出して楽に流れる。しかし、家族や仲間を利するための行動(利他的行動)ならば、勝手にま、いっかとはならない。どんなにつらくても、家族や仲間が困るだろうから自分勝手な都合で簡単には投げ出せない。 いまひとり暮らしの人が増えている。生涯未婚率が上がっている。恋人を作るのもおっくうでやらない。そういう人たちの多くは中年になれば、なんのために努力すればいいのか分からなくなってしまうだろう。困難な目標を遂行する気はもとより、日々のごく些細なこと、たとえば次の月曜日は資源ゴミの日だから読み終わった本をひもで縛って収集場所へ出すといったことも次第にできなくなる。行動と結果の影響がすべて自分だけに完結となれば、やーめたって言って日々最低限の欲求を満たすだけの人生に堕するだろう。 私なんてまさにそうなりそうである。愚痴やぼやきばかりだがそうなっていないのは家族=債務があるからこそ、起きて仕事する。家族がなければ三年寝太郎になってる。家族がいるからこそ、ぜったいやりたくない掃除もすれば、税務申告もするし接客もチラシ配りもする。 こんなの自分のためだったら絶対やっていない、アホらしいしやる気もない。しかし家族が困るとなればまあ、やるかとなる。 結婚していない、ひとり暮らしの知人が何人かいる。中年期にさしかかり、多くは没交渉となったが、一部近況が分かる人のケースでは、たいてい部屋は汚部屋化している。太って、喫煙飲酒癖があり、仕事への熱意は一切ない。しかしその姿はまったく自然で、普通なことであり、私も家族がなければそうなるに違いない。そして最後は必ず医療や介護、ひいては年金や生活保護の世話になる。それらは社会保障給付という。 というわけで、保守政治家が家族家族と騒ぐ理由だが、結局結婚して家族(アドラー心理学的に言うと家族ではなくても、仲間、あるいは利他的行動の対象となる何でもよい)を持たないひとりもんは、へたれで自暴自棄となり、社会保障の世話になるリスクが高まるということに尽きそうだ。 別に愛国でどうのこうのというのは違うと思う。そんなのなんの関係もない。実際のところは社会保障費が毎年1兆円ずつ増えて国家破たんしそうだから、何とか家族をもってもらって、各自いつまでも家族のために健康で元気に長生きしてほしいと、そういうことなのだろう。 しかし問題は、その同じ政府が一方で、正社員の残業は月100時間までとか言っていることだろう。月100時間働いて、しかも家族のために家事育児もやれって?死ぬぞ。そんなんでは家族のためになにかできるわけがない。絆だの郷土愛だのはなおさら不可能だ。家族を犠牲にして仕事しろって言っているようなものだ。それじゃ家族を持った意味はない。政府は矛盾している。 家族のために働くというのは、私はあくまで、家事育児をしろという意味だと考えている、つまり男性配偶者が家族のために時間を直接的に使うことなしに、家族を利することはできない。単に外で働いて金を稼ぐだけでは、ATMなどと言われ、定年後は離婚を余儀なくされる昭和のパターンである。女性配偶者は、毎晩帰りが遅く、子育て育児を当然のようにしない男性配偶者のことをよく観察している。 政府は憲法を変えてまで家族家族と騒ぎたいんだったら、経営者を罰則付きで法律で縛って、社員を夕方5時には家路につかせる必要がある。たぶんそうなると経営者団体は騒ぐ。日本の国の成長はもういいのか、と政治家を脅す。成長がなくなれば、大量の高齢者の世話もなにもできなくなり、再分配(増税)の圧力が高まる。そうすると連中は資産を取られたくないから、もっと政治家を脅す。 ここで注意したいことがある。自分のためよりも他人のためのほうが動機付けが強くなるというアドラー心理学の法則は、自然人にのみ通用するのであり、法人には一切無効である。かわいそうな従業員は、他人=法人(経営者や創業株主など)のために熱心に仕事をして、家族や自分自身の健康は犠牲にしがちである。しかし、法人は、あくまで自分のことしか考えない。自分の存続以外のこと以外は一切考えない。そういうふうにできている。 それでもあなたは、家族主義をうたう自民党を支持するのか。会社のために働き家族を犠牲にするのはやむを得ないといえるのか。 たくさんの人に、このことに気がついてもらいたい。

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